最近、外断熱工法が工法としては、絶対的に良く、100%良いという風潮のイメージがありますが、充分にご注意を下さい。一般消費者の間でも外断熱工法(正式には外貼り断熱工法といいます)という言葉が巷にひろがっており、外断熱工法という謳い文句の家を建てたが、ちっとも、外断熱の効果がないと後悔しているお宅が増えてきました。逆に白蟻がでてもおかしくないような状態の新築住宅もあるようです。
外断熱工法はヨーロッパやカナダやアメリカでは当たり前ように普及しており、寿命も150年・200年は、持つ住宅の耐久力が長いという利点で、日本でも普及し始めました。それが、最近では上記に書いたように、外断熱工法が良いという本も出回り、それを信じて、家を建てたが失敗をした、ちゃんとした外断熱工法で熟知をしている会社に頼めば良かったと言っておられる一般消費者が増えてきました。
■日本の住宅事情の中で外断熱工法(外貼り断熱工法)を取り入れる場合の注意点
外貼り断熱工法で施工する場合、まずは柱の外側に約25mmから50mmの断熱材を貼って、その上に重量の思い窯業系の外壁材をビスで止めていく方法ですが、その外壁材の厚さが12mmだとしますと、外壁の厚さ分12mmと断熱材が、50mmだとしますと厚さが62mmになります。
それで、ビスの入り込み耐力が40mm以上が理想ですので、その分を入れると102mm以上のビスを使わないといけません、仮に断熱材の厚さが25mmだとして計算した場合は、ビスの長さは約80mm以上のビスがないといけません。そういう長いビスで重たい外壁材を耐えさせるのですが、長い年月は耐えられないのです。
このような状態で地震がきましたら、外壁の重さに耐えられず、外壁材は重さで崩れ落ちていきます。
■北海道地区での、内断熱工法による結露が原因でカビや住宅の木材の腐食が問題
外断熱工法でないと住宅が危ないという、新聞や雑誌の影響で今上げた外壁材を外壁の仕上げ材として採用した家が、北海道地震で、外壁がヒビが入ったり、重さで崩れ落ちてしまいました。
これは、専門家であれば容易に推測できるところなのですが、そういう事においても北海道の一般消費者は学んできました。以前、北海道は内断熱工法による被害があるにもかかわらず、東北より九州までの本州では内断熱工法による高気密・高断熱がどんどん普及し、それが、北海道で外断熱工法が普及して、今その外壁の重さで問題になっているに、今 関東や本州で外貼り断熱工法がどんどん建てられていますが、地震がきたら、重さで耐え切れない住宅が殆どです。
重たい外壁材は地震には弱いですし、また、今挙げた工法によるビスの使い方では断熱材を突き通してのビス止めのやり方では、外断熱で壁内には結露がでなくても断熱材の中や断熱効果のない外壁材と断熱材の間には湿気があり、結露も生じ、ビス自身にも結露がでますので、ビスは腐食してしまいます。
■外断熱工法の欠点
外断熱工法は、気密性を高めるには容易に高めやすいのですが、反面、湿気が中で蒸れやすくなるという事です。理由は、気密性が高いと壁内に湿気がこもってしまい、カビだらけになってしまう事です。
日本では内断熱工法で安易に高断熱、高気密にすると結露が出やすく、住宅の老朽化やシックハウス症候群の住宅になって、危険だという事で外断熱工法にしていますが、外断熱工法は確かに結露は防ぎますが、また、安易に外断熱工法をとりますと、内断熱工法よりは気密性を高めやすく、断熱効果を上げるには壁面を外から覆いつくしますので、高断熱化が効率的なのですが、気密性が高い分湿気が中にコモってしまうのです。これが外断熱の最大なる欠点です。
■外断熱工法の欠点をカバーするには
湿気を外に逃げるように逃げ道を作ってあげなければなりません。その方法が外壁の通気工法です。
この工法は、外壁を二重工法にする事による工法が有効的です。それが、外断熱二重通気工法です。
外貼り断熱工法にするには、その外壁の工法をどのようにしていくのか、外壁材の構造をどのようなものにしていくのかが重要なポイントでございます。
カナダやアメリカでは、普通一般的に普及している外壁材として一番軽く、耐久力のある、アルミサイディングを使用しての外貼り断熱工法が多く、カナダでは70%以上がシェアーとしてアルミサイディングを採用しています。弊社がアルミメーカーとして、アルミサイディングの製造、普及に力を入れている理由がここにあります。また、外貼り断熱工法の場合、気密性には優れているのですが、その気密性を基礎の部分までしないと効果がないということで、基礎にまで、断熱材と貼って、新築しているお宅がありますが、この部分も充分に気をつけたほうが良いと存じます。
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